「食育」という言葉はいつからか
「食育」という言葉は、いつ頃から使われてきたのでしょう?
これについては、明治時代の2冊の著書が挙げられています。
1冊目は明治31年(1898年)初版が発行された、
石塚左玄著『食物養生法』。
この本において
「食能(よ)く人を健にし弱にし、食能く人を聖にし暴にし、
食能く人を雅にし俗にするのみならず、
食能く人の心を軟化して質素静粛に勤勉し、
食能く人の心を硬化して華美喧噪に断行するに至る」
と述べるなど、食が人に及ぼす影響が大きいことを
強調しています。
さらには体育、才育、智育の基本となるのも食であるとし、
「食育」の重要性を説いています。
もう一冊は明治36年(1903年)に初版発行の、
村井弦齋著『食楽道』。
この本でも、登場人物の会話の中で
「智育と体育と食育の三つは蛋白質と脂肪と澱粉のように
程や加減を測って配合しなければならん。しかし先ず智育よりも
体育よりも一番大切な食育のことを研究しないのは迂闊の至りだ」
と述べ、智育より体育より「食育」が大切ではないかと
指摘しています。
しかしながら、その後しばらくの間「食育」という言葉が
世間で広くつかわれることはなかったようです。